弱点の克服
先日「ザ・ノンフィクション」というTV番組でアツシという人力車夫を志す若者を見た。
彼は一つ目の職場で挫折し、二つ目の職場で念願を果たす。
しかし、それを見て私は心から祝福する気になれなかった。
彼は一つ目の職場で交通状況の確認不足を指摘され、そこではそれを克服できなかったのだ。
「向いてないな!」と思った。
彼の車夫としての弱点は、ひとつの事に集中するとほかの事が見えなくなるのだろう。
私にもそういう傾向があるので、そう見えてしまう。
もしもそうならば、仮にトレーニングでそれを克服しても「予想外事態」の際にそういう傾向が出てこないという保証は無い。
彼の場合、「人力車が好き」だから人力車夫を志すというのは、少し短絡過ぎると感じた。
たとえ医師になれなくても医療関係に職を持つことはできる。
腕力がなくても鑑識などであれば警察官として犯罪抑止の仕事ができる。
私自身も、大学進学のとき、本当は物理が好きで理学部に行きたいと思っていた。
しかし、ただそれだけで、難関大学などは到底無理な成績だったので、たとえどこかの理学部に入れたとしても、研究者として生活していくのはとても難しいだろうと考えた。
そこで、研究者の道をあきらめ、物理と同じくらい好きだった電気の道に進むため、工学部へと進んだ。
「技術者」になれば少なくとも生活に困ることは無いだろう、と・・・
これは見込み通りだった。
加えて、業務で私の「好奇心、探求心」を満たすこともできた。
振り返って後悔はまったく無い。
アツシの場合も、本人が納得できれば、車夫を諦めて、人力車の製造やメンテナンスに職を求めることができるだろう。
そういう仕事であれば、少なくとも一つ目の職場で心配された彼の弱点による交通事故のリスクは回避できる。
就活中の諸君、志望を一本に絞るのではなく、君の小学生のときからの「好き、得意」を熟考して選択肢を広げた時、意外にも君の適職は2番手、3番手の志望先にあるかもしれない。
そうであれば、弱点を無理に克服しなくても、後日必要があればその時道は開ける。
あのアインシュタインも数学者の助けを借りて相対性理論を完成したそうだ。(「すごい物理学講義」河出文庫)
むしろむやみに弱点を克服した結果、自分の本来の強味を見誤ったら元も子もない。
コメントをいただける場合は、この記事のタイトルをクリックしてください。
この下の方に投稿フォームが開きます。
彼は一つ目の職場で挫折し、二つ目の職場で念願を果たす。
しかし、それを見て私は心から祝福する気になれなかった。
彼は一つ目の職場で交通状況の確認不足を指摘され、そこではそれを克服できなかったのだ。
「向いてないな!」と思った。
彼の車夫としての弱点は、ひとつの事に集中するとほかの事が見えなくなるのだろう。
私にもそういう傾向があるので、そう見えてしまう。
もしもそうならば、仮にトレーニングでそれを克服しても「予想外事態」の際にそういう傾向が出てこないという保証は無い。
彼の場合、「人力車が好き」だから人力車夫を志すというのは、少し短絡過ぎると感じた。
たとえ医師になれなくても医療関係に職を持つことはできる。
腕力がなくても鑑識などであれば警察官として犯罪抑止の仕事ができる。
私自身も、大学進学のとき、本当は物理が好きで理学部に行きたいと思っていた。
しかし、ただそれだけで、難関大学などは到底無理な成績だったので、たとえどこかの理学部に入れたとしても、研究者として生活していくのはとても難しいだろうと考えた。
そこで、研究者の道をあきらめ、物理と同じくらい好きだった電気の道に進むため、工学部へと進んだ。
「技術者」になれば少なくとも生活に困ることは無いだろう、と・・・
これは見込み通りだった。
加えて、業務で私の「好奇心、探求心」を満たすこともできた。
振り返って後悔はまったく無い。
アツシの場合も、本人が納得できれば、車夫を諦めて、人力車の製造やメンテナンスに職を求めることができるだろう。
そういう仕事であれば、少なくとも一つ目の職場で心配された彼の弱点による交通事故のリスクは回避できる。
就活中の諸君、志望を一本に絞るのではなく、君の小学生のときからの「好き、得意」を熟考して選択肢を広げた時、意外にも君の適職は2番手、3番手の志望先にあるかもしれない。
そうであれば、弱点を無理に克服しなくても、後日必要があればその時道は開ける。
あのアインシュタインも数学者の助けを借りて相対性理論を完成したそうだ。(「すごい物理学講義」河出文庫)
むしろむやみに弱点を克服した結果、自分の本来の強味を見誤ったら元も子もない。
コメントをいただける場合は、この記事のタイトルをクリックしてください。
この下の方に投稿フォームが開きます。
スポンサーサイト