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リスキリング

先日TV番組「NHKスペシャル“中流危機”を越えて」で「リスキリング」(re-skilling?)という言葉を聞きました。
初耳でした。
どこかの国にそういう言い回しがあるのでしょうか?
意味は「学び直し」らしいです。

番組ではドイツの中年男性の例が印象的でした。
彼は自動車工場を解雇されてしょげていましたが、1年後、IT技術者として再就職し、以前よりも高収入を得ていました。

長年勤めをしていると、しだいに自分の周囲に学んだことの無い技術が増えてきます。
私も勤めて20年を過ぎる頃からそれを感じ始めました。
でも、特に私は、仕事と勉強を両立させるほどタフでも器用でもありません。
そこで、会社に「無給で良いから、勉強のため[月]単位の休暇が欲しい」と、退職するまで毎年訴え続けました。
特に待遇に不満があるわけではなかったので、いったん勤めを辞めるという考えはありませんでしたから・・・

私が新しい技術を身に着けても、私自身の待遇が良くなる期待はありません。
会社にとっても、新しい技術を身に着けた人材は毎年採用しているので、別に私の技術向上を期待しているわけではありません。
当然、訴えは黙殺されました。「勉強は会社と無関係に余暇でやれや!」という感じでした。
しかたないので、職場でホサレた際にコレ幸いと新技術(Javascript)を勉強しましたけど・・・
 参考>なぜテクニカルライターとコンテンツクリエイターになったのか(その2)

ところで、当時はカタカナの「リストラ」がハヤリでした。
しかし、これはアルファベットの「Restructuring」とはまったく別物で、単に「クビキリ」でした。
古い技術しか持たない人が「学び直し」て新しい技術を身に着ければ、本人にとれば「クビキリ」リスクが減ります。
会社にとっても、そうすれば、社内の仕組みに通じた「効率の良い」人材を新事業の立ち上げに「即戦力」として再配置できます。
それこそが、アルファベットの「Restructuring」だろうと私は考えていました。
そうでなくても、新技術を身に着けた人は転職に前向きになりますから、会社にとっても「リストラ」し易いはずです。
しかし、当時は国内、社内を通じて、「学び直し」の必要と意欲を持つ人間がほとんどいなかったのを残念に思います。

あれから幾歳月・・・
これから初めて「学び直し」の意義を知った人間が、いかにも目新しいことのように「リスキリング!」と声高に叫び始めるのかもしれません。
しかし、このブログをお読みの皆さんは、そのような言葉遊びの先頭に立ちたいだけの輩に踊らされないでください。

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趣味も専門も電子回路という、画に描いたような理系男子ですが、世の中の「読みにくい取説」をなんとかできないものかと思い、自ら「書く側」になってしまいました。
 
 

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