秋月電子の「オシロスコープキット」を組み立てました

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注意1:この文書により組み立てや改造を行った場合の結果については、いっさいの責任を負いません。
製品添付の資料で確認のうえ、自己責任でご利用ください。
注意2:この文書の内容に関して、「秋月電子通商」はまったく無関係であり、いっさいの責任がないことを明言します。
この文書に関して、「秋月電子通商」への問い合わせなどは固く禁じます。

  1. はじめに
  2. 事前準備1:資料を整備する
  3. 事前準備2:部品を加工する
  4. 組み立て1:回路部品を取り付ける
  5. 組み立て2:液晶パネルを取り付ける
  6. 組み立て3:操作パネルとリヤパネルを取り付ける
  7. 組み立て4:プローブを作る
  8. 使用可能な電源
  9. 最後に
  10. 完成後の改造1:バックライト消灯
  11. 完成後の改造2:キャリブレーション出力

 >秋月電子の「オシロスコープキット」の操作パネル
 >秋月電子の「オシロスコープキット」を使ってみました

1.はじめに

秋葉原の「秋月電子通商」で売っている「オシロスコープキット」を買って組み立てました。
完成後は問題なく動きました。
しかし、組み立て開始までがけっこうたいへんでした。


2.事前準備1:資料を整備する

資料は、次の2つを入手しました。
添付資料回路図、部品配置図、測定点電圧図、操作スイッチ一覧表
組み立てマニュアル「秋月電子通商」のサイトからダウンロード。
組み立て手順がA4版1ページにテキストで書かれている。
2ページ目には操作ボタンの使い方が同じくテキストで書かれている。


通常、組み立ては部品配置図を見ながら行います。
しかし、これが難儀なのです。
部品配置図や組み立てマニュアルには「C1,L1」のように部品番号で書かれているのですが、部品本体にはそのような標記はありませんし、部品表も無いので、いちいち回路図を参照しない限り、「C1」はどの部品なのか分かりません。
ちなみに、こんな部品が同梱されています。

そんなやり方では時間がかかるだけでなく、付け間違いの危険もありますから、まずは部品配置図に、取り付ける部品の規格を記入することにしました。
それに半日かかりましたが、こういう風な図ができました。
これで気分良く組み立てができそうです。


3.事前準備2:部品を加工する

まず、J4の短い方のリードを、次の写真のように、さらに1mm程度短くします。
短い方を基板に挿して取り付けますが、そのちょうど裏面に液晶パネルが付くので、このまま組み立てると、液晶の裏面に触れるからです。
切り過ぎてもはんだ付けがし難くなりますから、注意してください。
J4を切る


もうひとつ、U3の三端子レギュレータは、予め基板に放熱板とともに仮置きしてみて、端子が基板の穴にうまく刺さるように、次の写真のように曲げておきます。
三端子レギュレータの端子を曲げる



4.組み立て1:回路部品を取り付ける

以上2点の加工が終わったら、部品配置図を見ながら部品を取り付けます。
基本は、小さい部品から大きい部品への順です。
その逆だと、大きい部品があとの作業の邪魔になりますから・・・

その際、JP1およびJP4は手持ちのメッキ線などを使いますが、それぞれ次の手順で組み立てます。

  1. JP4、すべてのL,C、電源ジャック、RCAジャック
  2. 電源チェック(後述
  3. JP1、液晶パネル、すべてのスイッチ類

さらに、次の点はあらかじめ考えてから取り付けます。


  1. 電源電流は200mA前後流れますが、電池駆動をしたいのであれば、U3をロードロップダウンタイプに取り替えます。
    取替えは、液晶取り付け後にはできませんから、このときしかありません。

  2. 同じく電池駆動をしたいのであれば、電源ジャックの側面に出ている端子を次の写真の「2」のように基板に挿さないでおいて、あとで電池クリップのマイナス線を付けます。
    電池クリップのプラス線は、同じく写真の「1」のように、電源ジャックの内側電極(+)に接続します。
    電源ジャックへの電池の配線

  3. 基板には電源スイッチがありません。
    必要であれば、D4の場所にジャンパー線を取り付ける代わりに、リードを引き出してスイッチを付けます。

U3の三端子レギュレータの取り付けは、できれば放熱板との間にグリースを薄く塗ると放熱が良くなります。


JP1と液晶パネル、スイッチを除く部品をすべて取り付けたら、ACアダプタを電源ジャックに差込み、次の手順で電源チェックをします。
これらの条件になるまで基板のチェックと修理をしてください。


  1. 基板の、電源ジャックを左下にして、そのやや右にある「GND」と、基板中央付近にある「+5V」との間の電圧がほぼ5Vあるか?
  2. 「JP1」の電流が、40から60mAの間か?

このとき、ACアダプタは、次の写真のように、内側電極がプラスで、外側電極がマイナス、電圧が9Vから12V程度で、電流容量が300mA以上のものを使ってください。
(レギュレ-タにロードロップダウンタイプを使った場合は、6Vから12V程度)

電源プラグの極性


電源チェックが完了したら、メッキ線などで「JP1」を接続します。


以上を完了したら、基板を裏返して、スイッチをすべて取り付けます。


5.組み立て2:液晶パネルを取り付ける

最後に液晶パネルの取り付けですが、液晶パネルの「CN1」を液晶接続ピンで基板と接続します。
「CN2」は無配線ですから、接続しません。


さらに、この接続ピンのほかに、このピンを挿せる部品も売っているので、それを買って使えば、あとで液晶パネルの付け外しができますが、それはお勧めしません。
と言いますのは、操作パネルと基板の距離はスペーサで決まっていて、接続ピンのほかにピンを挿す部品も使うとその間に収まらなくなってしまいます。
さらに、このスペーサの長さは押しボタンの組み立てにも関係しており、長さの異なるスペーサを使うと、押しボタンの組み立てがうまくゆかなくなります。


液晶接続ピンは、短い方のリードを液晶側、長い方のリードを基板側にして組み立てます。
長い方を液晶側に使うと、操作パネルに触れる恐れがありますから・・・


6.組み立て3:操作パネルとリヤパネルを取り付ける

4隅をスペーサで止めるだけなので、非常に簡単な作業です。
組み立ては、ビス=操作パネル(液晶やスイッチ用の穴あき)=短いスペーサ=主基板(スイッチと液晶が操作パネル側)=長いスペーサ=リヤパネル(4隅の穴だけ)=ビスの順です。

しかし、実際に組み立ててみると、9個の押しボタンのうちの2つが、電気的には動くのですが、クリック感がありませんでした。
ビスを緩めて操作パネルを少し浮かすと、すべての押しボタンがクリックします。

と言う事は、短い方のスペーサの長さが少し足りなくて、操作パネルによって押しボタンが常に軽く押されているのです。


スペーサのわずかな長さ不足なので、次の写真のように、短い方のスペーサすべてにスプリングワッシャーをそれぞれ1枚差し込んだところ、すべての押しボタンが調子良くクリックするようになりました。
平ワッシャーだと、各2枚づつくらい必要かもしれません。
ワッシャーを追加

これは、製品添付の資料には書かれていませんので、ご注意のうえ、このような不具合にはぜひお試しください。


7.組み立て4:プローブを作る

プローブを作るために、次の部品が同梱されていました。
 >RCAプラグ、ミノムシクリップ(赤、黒)、シールド線、熱収縮チューブ

しかし、このオシロ自体そうですが、最近の機器にはミノムシクリップは大きすぎて使い辛いので、とりあえずやめて、ICクリップを使うことにしました。
線の付け方はあまり詳しくないのですが、次の写真のように線をはんだ付けし、しっかり締め付けたあと、曲げると線がキャップから出易くて具合が良いようです。
実物をこの写真と並べて、はんだ付け面、締め付け方向、曲げ方向などを細かく観察して、逆にならないように注意してください。
ICクリップに結線する


できあがりは次のような感じです。
プローブの完成


8.使用可能な電源

これですべてが組み立て終わりました。

そこで、まずACアダプタで動かしてみると、問題なく動作しました。
しかし、しばらく動かしていると、ACアダプタがいままでになく暖まっています。

測定してみると、ACアダプタの定格は9V150mAなのに、消費電流は180mAでした。
これでは動いてはいてもしかたないので、もう少し電流容量の大きいものを使うことにしました。

次に、U3の電源レギュレータはロードロップダウンタイプに差し替えましたので、電池も試してみました。
しかし、消費電流から考えて、006Pでは動いたとしても短時間しか期待できないので、単3型4本をいろいろ試してみました。

最初にNiCdを試してみました。これは電圧不足でうまく動きませんでした。

次にマンガン電池を試しましたが、これも電流不足でうまく動きませんでした。

結局、使えたのはアルカリ電池だけでした。
短時間のちょっとした確認にはこれで間に合うと思われます。


9.最後に

実際に動かしてみると、入力アッテネータの「SW3」をGNDにしても、画面には電源リップルらしい波形が表示されます。
しかたないかな?と思いながら、機械的な保護のために、手元にあった食品保存用のプラスチックケースに組み込んでみると、これがキレイに解消していました。

もちろん、GND以外にすれば、次の写真のようにきちんと波形が表示されます。
プラスチックケースに組み込んだ

プラスチックケースなので、シールド効果はないはずですから、直った原因は不明ですが、もしかしたらはんだ不良があって、それが一時的に直ったのではないかと、多少不安を感じています。


10.完成後の改造1:バックライト消灯

完成後も、ポータブルユースとしては、電源電流の大きさが不満でした。

液晶のバックライトをやめれば、50mAくらいは電源電流を減らせそうな気がします。
ネットで調べてみると、コネクタの19ピンに「LED+」という記号が付いているので、これがバックライトではないかと思われます。

しかし、組み立て後にできることは限りがあります。
接続ピンをここだけ切断すればたぶん良いのですが、そんな荒業は使えそうにありません。


メイン基板を(部品面から)眺めながら、19ピンへの配線を切ろうか、と考えていると、19ピンの間近にチップ部品があるのが目に止まりました。
ジャンパーか低抵抗に見えます。
迷った挙句、「配線を切るよりは紳士的ではないだろうか?」と、ふだん配線には使わない40Wのコテを持ち出して、一気にそれをはがし取りました。
チップ部品を外したところ

不安を感じながら、ふたたび電源を入れてみると、もくろみどおりバックライトは点灯せず、正常に動作しました。成功です!
バックライトなしの表示

消費電流を測定してみると、期待以上で、ほとんど半減の90mA台です。
それならば、と一度は試してダメだったマンガン電池を接続すると、今度はこれでも動作するではありませんか。
これで、アルカリ電池の寿命も倍増まちがいありません。
ポータブルは小型軽量と電池寿命が命ですから・・・


11.完成後の改造2:キャリブレーション出力

その後もネットで調べてみると、キャリブレーション信号の出力端子もあるらしい、ということがわかりました。

入手した説明書類には特別それらしい記述はなかったのですが、探してみると、基板の向かって左上端にあるはんだ穴がどうもそれらしいのです。

ためしに、端子をつけてみました。
向かって右側の穴は配線があるのですが、左側の穴は不明なので、両者を短絡する形で端子をつけました。
キャリブレーション端子


電源を入れ、プローブをこの端子に接続すると・・成功です!
見事にキャリブレーション信号の500Hz矩形波が表示されました。
キャリブレーション表示


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趣味も専門も電子回路という、画に描いたような理系男子ですが、世の中の「読みにくい取説」をなんとかできないものかと思い、自ら「書く側」になってしまいました。

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