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高速体温計は正しい?

体温計が水銀から電子式の時代になって久しいですが、ここ数年は20秒とか30秒で計測できる電子体温計が出現し、さらに最近はその価格も低下しつつあります。
原理的には、従来型は水銀計と同様に次の図の「安定温」を実測しているのに対して、高速型は(たぶん)次の図で測定値が上昇してゆく途中のある値からそれより高いある値になるまでの「時間」を計測して、それから「安定温」を予測しているのだろうと推測します。
体温の測定方法

先日、ドラッグストアに行ったところ、くだんの高速体温計が2000円を切っていたので、1本買って来ました。
次の写真の上側が従来型、下側が高速型です。
体温計

価格低下とは言っても、普通の電子体温計も低価格化しているので、だいたい2倍くらいの差です。

さて、気になるのはその測定値の正確さです。
そこで、さっそく両者を測り比べてみました。
高速型は約10秒、従来型は約10分かかりましたが、結果は、その差0.1℃という無視し得る範囲でした。

原理的に言えば、計算で値を求める高速型よりも十分な時間後の安定温を表示する従来型の方が正しいはずです。
計算による予測など、実測の裏付けをしないで使えるものではありません。

しかし、測定対象は人間です。
10分もかかると途中で動いて接触状態が変わってしまう可能性がありますし、最悪は10分経たないうちに測定をやめてしまう可能性さえあります。
厳密に測定しようとするならば、スライムのようなゲルを塗って密着させることも必要です。
そういう点を加味すれば、「科学的」には厳密ではありませんが、「実用的」には短時間の測定値変化で予測する高速型の勝ち、というのが私の結論です。

実際、従来型ではしばしば35℃などという測定結果が出て、「いくらなんでもそれはなかろう」と再測定していましたが、高速型では常に36℃台の値が得られるようになりました。

体温計を買おうと思っている方、どちらにしようか迷っている方には、割高ですが「高速型」をお奨めします。

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趣味も専門も電子回路という、画に描いたような理系男子ですが、世の中の「読みにくい取説」をなんとかできないものかと思い、自ら「書く側」になってしまいました。
 
 

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